
研究内容 – 02
CO2からのシュウ酸合成および次世代製鉄法の開発
製鉄業は産業界において多量の CO2 を最も排出する事業の一つであり、還元剤として用いるコークス由来に加え、1100-2200 °C の加熱による熱源由来の CO2 排出が世界的問題となっています。この課題に対し我々のグループは、九州大学との共同研究により、コークス (C) に替わりシュウ酸 (H2C2O4) を還元剤とした全く新しい製鉄法を提唱しており、反応温度 650 °C 以下で品質の異なる様々な酸化鉄から高純度の還元鉄を得ることに成功しています。1
還元剤として機能したシュウ酸は CO2 へと分解されますが、ここで副生する CO2 をシュウ酸として再生することができれば、炭素循環型の次世代製鉄法の提唱が可能となります。我々は二酸化炭素、そしてその水素化体であるギ酸を原料として、シュウ酸を合成する研究に取り組んでいます。

<発表論文>
- ChemRxiv 2022, doi: 10.26434/chemrxiv-2022-6r93n
- ISIJ International 2022, 62(12) 2476-2482
- ISIJ International 2022, 62(12) 2466-2475
- ACS Sus. Chem. Eng. 2020, 8(35), 13292-13302.
<研究費・業績>
- 文部科学省 科研費・学術変革領域研究A-公募研究 22H05554 (研究代表者:田原淳士)
- Atsushi Tahara, Young Investigator’s Award (Redox week in Sendai)
- Atsushi Tahara, Keynote Lecture (ICPAC Kota Kinabalu 2022)